妊婦中の「体重管理」と「便秘」

2016.12.9

安定期に入り、つわりの症状が落ち着いた頃、
体重制限を言い渡された妊婦さんもいらっしゃると思います。

なかには、妊婦さんが泣いてしまうほど
厳しい体重制限を行っている先生もいらっしゃるようです。

そもそも、なぜ妊娠中は体重管理が必要なのでしょうか?

体重制限は母子ともに安全に出産を迎えるために行います

お腹の中の赤ちゃんを大きく育てるため、栄養をたくさん摂取しようと
ついつい食べ過ぎてしまうママさんはたくさんいらっしゃいますが、
注意しなければならないのは「体重の増え方」ですよね。

妊娠中の体重増加の目安は、週に200〜300gと言われています。

しかし、辛いつわりの症状が治まると、これまでにおいがきつく感じられて
食べられなかった食べ物や、我慢していた好物を食べられるようになり、
あっという間に体重が増えてしまいます。

体重が急激に増えると、出産に影響する恐れがあるんです。

体重の増加によってリスクが高まる合併症として、以下のものが挙げられます。

・妊娠糖尿病

妊娠糖尿病になり血糖異常が起きると、
お腹の中の赤ちゃんの皮下脂肪まで増加してしまいます。
巨大児になるリスクが高まり、
赤ちゃんの体重によっては帝王切開しなければならない場合も。

・妊娠中毒症

高血圧やむくみ、たんぱく尿の症状が出た場合、妊娠中毒症と判断されますが、
体重増加によってこれらを発症するリスクが高まるとされています。

妊娠中毒症をそのままにしておくと、胎盤の機能が低下し、
赤ちゃんに必要な栄養素を届けることができなくなってしまうことから
早産や未成熟時の危険性をも高めてしまうことに。
母子の命に関わる合併症です。

また、産道周辺に脂肪がつくことによって
産道が狭まり、赤ちゃんが出てくるのが困難になってしまうんです。
緊急的に、帝王切開に切り替わる可能性も考えられます。

その他にも、微弱陣痛から難産になってしまう可能性も。

ママだけではなく、赤ちゃんにも影響を及ぼす可能生があるために
徹底した体重の管理が求められるんですね。

便秘は体重増加を加速させる原因に!?

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妊婦さんのお悩みの種である「便秘」が
体重増加に拍車をかけてしまう可能性があるんです。

これは、便秘によって腸内に溜まった便が体重を増加させている、
ということではありません。

赤ちゃんが大きくなると徐々に内臓を圧迫して行きます。
腸も圧迫されて動きが悪くなり、動きが悪くなると便秘になります。

便秘は身体の基礎代謝を下げてしまいます。
さらに、お腹が大きくなるにつれて運動することが自然と少なくなります。

運動不足に加え、基礎代謝が低下することで
取り込んだ食事がエネルギーとして消費されず、
脂肪として蓄えられてしまう、ということなんです。

その結果、体重増加を加速させてしまいます。

また、こちらの記事では、
ママの腸内環境が赤ちゃんへ与える影響を説明しています。

母から子へと引き継がれる「腸内環境」>

妊娠中の便秘を解消するためには

体重管理をしなければいけない妊婦さんの場合、
食生活を見直すことで、便秘の改善が期待できます。
食物繊維が豊富に含まれているものや、身体を温める食べ物など
便通を促してくれるような食材を取り入れましょう。

腸内環境を整えるために
乳酸菌を含む発酵食品などを摂取することを心がけると良いでしょう。

また、便秘解消のためには適度な運動も必要です。

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運動によって増えすぎた体重やカロリーを消費しようと
身体を大きく動かすような激しい運動は禁物です。

あくまでも、便秘解消のために身体を動かす、という範囲に留め
産婦人科のお医者さまと相談しながら、無理なく行ってくださいね。

妊娠後期に入るとお腹が大きくなり始め、
バランスを崩しやすい状態になっていますから
転倒などには特に気をつけなくてはいけません。

運動や散歩をする場合、障害物のない、広い場所を選びましょう。

便秘解消は体重管理の大切なポイント

便秘でどうしても苦しい場合にも、
市販の便秘薬を自己判断で使ってはいけません。

多くの便秘薬に配合されているセンナや大黄、アロエといった成分は
子宮を収縮させる働きを持つため、
早産や流産を引き起こしてしまう危険性があります。

便秘薬を使用したいと考えている場合は、
まずは必ず、かかりつけの産婦人科の先生に相談しましょう。

妊娠中の便秘について、頭を悩ませる妊婦さんはたくさんいらっしゃいます。
妊娠後はじめて便秘を経験した、という方も少なくありません。

便秘の症状は、妊娠後の女性はもちろん、
誰にでも起こりうることのひとつです。

恥ずかしいことではありませんから、
「便秘のことで相談なんて…」とひとりで抱え込まずに
出産経験のあるママさんや親しい友人、
自分のお母さんなど、身近な人に相談してみましょう。

厳しい体重管理も、母子ともに安全な状態で出産を迎えるために必要なこと。
便秘を解消して、健康な状態で出産に臨んでくださいね。