母から子へと引き継がれる「腸内環境」

2016.12.2

便秘に苦しむママさんはたいへん多く、改善策に悩まされていることと思います。

しかし、便秘薬によっては子宮充血などを招き、
母体の健康に影響するものもあるため、
妊娠中は便秘薬に頼るのが難しい面があります。

赤ちゃんは細菌を吸い込みながら産道を通ります

ママの胎内では、赤ちゃんは無菌状態で守られています。
しかし、赤ちゃんは自然分娩時に産道を通るとき、初めて細菌に接触します。
産道に生息する細菌を、口から取り込みます。

その後母乳から、また、生まれた病院やおうちの環境、
ミルク・離乳食とともに細菌を取り込むことで
腸内の細菌叢(さいきんそう)を形成していきます。

この腸内環境が、赤ちゃんの健康に大きく関係しているということが
最近の研究で明らかになりつつあります。

また、アトピーなどのアレルギーも、腸内環境が関係していると言われています。

ママと赤ちゃんが同じ環境で生活して、同じものを食べるようになると
自然と腸内細菌叢は近づき、似てくることになります。

ですが、母子の間には個人差や年齢差がありますから
全く同じになるということはありません。

同じではありませんが、子は親の資質を遺伝子以外でも引き継ぐことになります。
便秘症が引き継がれるかどうかは今後の研究を見守る必要がありますが、
まずはお母さんが健康でなければいけませんよね。

妊娠後のホルモンバランスや食生活の変化から
どうしても便秘になりやすい妊婦さんですが、
妊婦さんにとっては便秘は、大きな問題なのです。

我慢していたら便秘が悪化…「いきむ」ことでの影響は?

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また、いきむことを怖がっていたら、
便秘がひどくなってしまった、という妊婦さんもいらっしゃると思います。

切迫早産や頸管無力症と診断されている方、
臨月に入って子宮口が開き始めた方を除いては
基本的に、トイレでいきむことが流産や早産につながってしまう心配はない、
と言われています。

ですが、何度も強くいきんだり、長時間いきみ続けるのはNG。

血圧が上昇してめまいを感じ、転倒する危険性が考えられます。
また、子宮が収縮したり、痔になってしまう可能性も。

「早く出さなきゃ」「すぐに出さなきゃ」と焦って
強くいきむのではなく、自然な便意を待つことが大切です。

いきむ場合にも、排便をサポートするくらいの力に留めておきましょう。

便秘を改善するには腸内環境の見直しを!

「そもそも便秘が改善できれば、いきまずに排便ができるんだけど…」

妊婦さんの便秘対策は限られてくると思いますが、
腸内環境が乱れていることが原因のひとつとして挙げられます。
腸内環境の改善が妊婦さんの便秘解消には役立つでしょう。

腸内には、
・免疫力を高めたり、腸の運動を促進してくれる「善玉菌」
・腸内を腐敗させ、有害物質を作る「悪玉菌」
・善玉菌と悪玉菌、優勢な方に合わせて働く「日和見菌」
が存在しています。

便秘の方の腸内は、悪玉菌が優勢の状態です。

便秘によって腸に留まっている便を悪玉菌が腐敗させ、有害物質を生み出し
その有害物質によって、腸内は悪玉菌が住みやすい状態になります。
さらに増殖した悪玉菌によって便秘が悪化するという
悪循環を生み出してしまっているのです。

この悪循環を断ち切るためには、いったいどうしたら良いのでしょう。

腸の運動を活発にしてくれる善玉菌を増やし、便秘を解消しましょう。

腸内の善玉菌を増やすためのポイント

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悪玉菌を減らし、善玉菌を増やすためには、
普段の食事から以下の成分を取り込むことを心がけましょう。

・乳酸菌(ビフィズス菌)
ヨーグルトやチーズが代表されるように、発酵食品に多く含まれている乳酸菌。
胃酸や熱に弱いものが多いため、
「生きたまま腸まで届く」乳酸菌を選ぶ必要があります。

・オリゴ糖
オリゴ糖は善玉菌のエサとなり、悪玉菌の増殖を抑制します。
りんごやバナナといった果物・キャベツなどの野菜に含まれているほか、
粉末やサプリメントとしても販売されています。

また、ぬか漬けなどの漬け物には乳酸菌が豊富に含まれていますが、
吐きづわりやにおいづわりの症状がある妊婦さんには
独特の匂いが刺激になってしまうかもしれません。

その場合、ヨーグルトに小さく切ったバナナを入れて食べるのがおすすめです。
ヨーグルトの乳酸菌といっしょに、
バナナに含まれているオリゴ糖を摂取することができますよ。

また、2種類の食物繊維をバランス良く摂取することも大切です。

2種類の食物繊維についてはこちら>

便秘には、2つの食物繊維のバランスが大切!

ゆっくりと改善していくことが、身体に負担をかけない方法です

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3日以上排便がなくてどうしても苦しい、という場合に
妊娠前は便秘薬に頼っていたことを思い出す方もいらっしゃると思います。

しかし、自己判断で市販の便秘薬や下剤を使用するのは絶対にやめましょう。

便秘薬や下剤に含まれる大黄やセンナ、アロエといった成分は
子宮を収縮させる作用があるため、流産の危険性を高めてしまいます。

お薬を使用したいと考えている妊婦さんは
必ずかかりつけの産婦人科で、先生とよく相談してくださいね。

便秘はすぐに解消することはできません。

偏った食生活を見直したり、腸内環境を整えるための食品を摂取するなど
自分に合った方法で、継続して行うことが大切です。

ママと赤ちゃん、ふたりが健康に過ごせるよう、
腸内環境を改善していきましょう!