便秘の時の腸の状態

2016.12.5

腸の状態を認識することが便秘解消の第一歩です!

便秘と呼ばれる状態の時、腸の中ではいったい何が起きているのでしょうか?
通常の状態の腸と比較して解説していきます。

排便までの腸の状態は?

大腸で水分を吸収

まずは、通常の排便の流れについて
ご説明しましょう。

口から入れた食べ物は、
胃や小腸を通る間に分解されていきます。
これを消化と言います。

食べ物に含まれる栄養素の大部分は、
小腸を通過する間に
消化・吸収されます。
食べ物が大腸に着く頃には、
90%が水分のほぼ液状の
残りカスとなっています。
大腸で水分を吸収することで残りカスが固形化し、便になります。 

便意が起こる

肛門の近くの直腸に便が到達すると、直腸の壁が引き伸ばされます。
これがいわゆる“便意”というわけです。

便を押し出す

便意がある状態で横隔膜や腹筋を使い、いきむことで便を押し出します。
口から入った食べ物が便として体の外に排出されるまでは、
24~72 時間かかります。

 便意が起こると、腹筋や横隔膜が働いて便を押し出そうとします。

口から入った食べ物が便として体の外に排出されるまでは、24~72 時間かかります。
消化・吸収という旅がスケジュール通りに進めば、
日帰り~せいぜい3泊程度で体の外へ出られるということです。

便秘の時の腸の状態は?

便が水分不足になっている

では、便秘の場合の排便の流れは
どうでしょうか?

黒っぽく硬い便しか出ないという場合、
腸の中で便が水分不足になっています。
便秘により便が大腸に長く留まると、
大腸はすでに固形化した便から
もっと水分を吸収しようとします。

すると便は水分不足になり、硬くなることでますます排出しづらくなってしまいます。

腸のぜん動運動が弱くなっている

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腸が正常に働いているときの運動を
ぜん動運動といいます。

ストレスや生活習慣の乱れ、加齢などが
原因でこのぜん動運動が弱くなり、
腸内に便が溜まることがあります。

便意が起こらない

便意が起きても一旦我慢してしまうと、
肛門に近い直腸のあたりに
便が溜まってしまい、
便意が起こりにくくなってきます。

直腸の神経の感覚が鈍っている状態です。

便を押し出せない

便を押し出すための腹圧をお腹にかけるには、
腹筋や横隔膜、腸の筋肉を動かす必要が
あるのですが、力が足りないと
便が排出されません。

筋力が弱い女性や高齢者の方に多い症状です。

便秘の時、他に腸で起きていることは?

腸がけいれんする

下痢と便秘交互に繰り返すような便秘の
場合、腸はけいれんを起こしています。
腸のけいれんには、ストレスが大きく
関わっています。
人の自律神経が、腸をはじめとする
消化器官の働きを司っているためです。

腸は繊細な臓器なので、心がストレスを
感じていると、自律神経を通して
影響を受けてしまいます。

腸の動きが不規則になり、縮こまって狭くなった状態の腸を便がスムーズに通れなくなるので、
便秘になります。
下痢は、大腸の水分吸収の機能を停止して便を早く排出してしまおうとする体の反応です。
「便の中に毒素を発見したから排出してしまおう」と言う体の防御反応ですが、
自律神経の乱れによっても起こります。

腸の中に障害物がある

物理的な障害物で狭くなった腸を
便が通れず、体の外に出られなくなる
場合もあります。
例えば、大腸ポリープができている
場合などです。

大腸ポリープのある場所に
便が到達すると、
便が通り道をふさがれるため、
便秘になってしまいます。

大腸ポリープの他にも、腸捻転などの病気が潜んでいる可能性や、
開腹手術の痕が癒着している可能性が考えられます。

腸がこのような状態の時は、通常の便秘とは違う強烈な腹痛があったり、
便が細く、血や粘液が交じって排泄される場合があります。
ただの便秘とは違うかな?と少しでも感じた場合は、
一刻も早く病院の診察を受けましょう。

腸の状態に合った便秘薬を使いましょう

便秘でお悩みの方は、便秘薬で解消するのも選択肢のひとつです。
便秘薬を使う時に注意していただきたいことは、
腸の状態に合った便秘薬を選ぶことです。

便秘薬の種類のひとつに“刺激性”の便秘薬があります。
刺激性の便秘薬は腸を直接刺激するタイプの便秘薬で、腸のぜん動運動が
弱くなっている方に使っていただきたい便秘薬です。

一方で腸がけいれんをして便秘になっている場合に刺激性の便秘薬を使用すると、
腸にストレスがかかり症状が悪化する恐れがあるため注意が必要です。

便秘薬を使用する前に腸の状態を認識することを心がけましょう。
そうすることで自分に合った便秘薬を見つけることができ、
便秘を解消することにつながると思います。